転職活動を行うにあたってWeb上でも情報は得られますが体系的にじっくり考えるには本がおすすめです。
特に近年の売れ筋を読むと過去にあった単に転職のノウハウを書いた本では無くなっています。
転職やキャリアについての捉え方から説明する本が多数出版されてヒットしてます。
本ほどの充実した内容は無料のWeb上では部分的にしかないです。
また、内容を把握してない人がWeb検索して探し充てるのは難しいと思います。
この記事では転職についてのおすすめ本を紹介していきます!
紹介文はあくまで要約や一部抜粋なのでそれだけを読んでも内容の理解は難しいです。
youtubeなどの解説などを見ても分かりやすいから分かった気になるだけでしっかりと頭には入りません。
例え流し読みだとしても記憶に定着しますので書籍の形式で読むことをおすすめします。
転職の思考法
転職の思考法を読むのがおすすめの人
「転職の思考法」は単なる転職を成功させるためのノウハウ本ではありません。
以下のような人におすすめの本です。
・今後のキャリアに悩んでいて、転職するかどうか悩んでいる人
・漠然と転職したいけどどういうキャリアを積んでいけばよいのか悩んでいる人
転職活動のやり始めにしっかりとしたキャリアプランを持っている人は少ないと思います。
そういう意味ではどなたにでもおすすめできます。
転職の思考法のストーリー構成
本書ではまず、転職技術のノウハウ本ではなく、転職の思考法をつけるための本となります。
物語風のストーリーになっていて読みやすいです。
主人公は30歳の印刷会社で営業職に詰める青野です。
青野の勤める会社が斜陽企業でオワコンなのを説明する事で業界の生産性の重要さが理解できます。
転職の思考法に出てくる重要単語
重要な単語はマーケットバリューです。
つまりは市場価値のある人材になるってことですね。
マーケットバリューは以下の箱の大きさで決まります。
- 技術資産
- 人的資産
- 業界の生産性(1人あたり)
技術資産
技術資産は「専門性」と「経験」の事です。
専門性は職種に近く、営業、マーケティング、会計、税務、プログラミングやデザインが該当します。
経験というのは職種に紐づかない技術。責任のあるポジション、つまりはリーダー経験になります。
人的資産
人的資産とは人脈を指します。
その人だから動いてくれる社内の人、指名で仕事をくれる人間がいるのが人脈がある状態です。
キャリアプラン
キャリアは20代は専門性、30代は経験、40代は人脈が重要と説明されます。
業界の生産性(1人あたり)
そもそもお金になる業界にいるかどうかという事ですね。
生産性の高い方法を選ぶには以下の2つになります。
①最初から生産性が高い産業を選ぶ
②今後の成長が見込める業界を選ぶ
転職の思考法まとめ
通しで読んだ所感はストーリー仕立てで業界の生産性(1人あたり)の重要性を語っていると思います。
斜陽企業にしがらみで長くいて転職できないのは甘えだという感覚です。
そして、転職先を選ぶ時の軸をしっかりもたないと無駄な転職になってしまうという事も学べます。
私自身、1度目の転職は知人の紹介で良く知らない会社に転職したのでとても反省しました。
2度目の転職では自分の市場価値の低さをとても実感して変わらないといけないと思いました。
本書を読めば私のように実体験でミスをしないでも追体験としてしっかりと転職の思考法を学べます。
転職2.0
転職2.0は他の転職本とは異なり、世界の潮流となっている採用方式が当然になってきているという内容です。
転職2.0の働き方や採用方法は外資企業や一部IT企業で先行してすでに始まっている働き方だと感じます。
転職する気がない人でもビジネスマンであればこの考え方や潮流を知っておいて損はない内容です。
題名を変えれば転職本ではなくてビジネス書としてそのまま出版されても違和感ないです。
著者はLinkedIn(リンクトイン)日本代表の村上臣さんです。
以前までの転職は転職1.0でしたが転職のOSがアップデートされ現在は転職2.0になっているという内容です。
これまでの転職1.0と現在の転職2.0の違いについて説明されています。
目的
- 転職1.0 「一回の転職での成功」を目的とする
- 転職2.0 転職を「自己の市場価値を最大化するための手段」と考える
一度の転職での年収アップのみを目的としていたのが転職1.0です。
転職2.0では長期的な視野で何度も転職するのを前提とします。
プロジェクトベースの短期の転職を想定する。
プロジェクトの期間にどれだけの成果を出したかで給料決まります。
転職を繰り返す事がネガティブにとらえられないのが転職2.0の世界です。
行動
- 転職1.0 「情報収集」をする
- 転職2.0 「タグ付けと発信」をする
転職1.0では従来の転職活動で行う情報収集が重要でした。
転職サイトや転職エージェント、口コミ、社風や仕事のやりがいなどを調査することです。
転職2.0では個人への「タグ付け」と「発信」が重要です。
「タグ付け」と「発信」って何だろうと思って本を読んだところすぐに分かりました。
「タグ付け」と「発信」はまさに著者が代表をしているLinkedInの事を指してますね。
SNSを使って自身の経歴、スキル、属性を明確にして発信する事で企業から直接スカウトされます。
または、過去の同僚とLinkedInで繋がる事で知人同士の推薦、紹介もできるでしょう。
詳細を説明していきます。
タグは「ポジション(役割)」、「スキル」、「業種」、「経験」、「コンピテンシー」で分類されます。
「コンピテンシー」とは「コミュニケーション能力」、「誠実性」、「主体性」、「チームワーク」などです。
自身のタグについてSNSで発信する事で以下のような採用が増えています。
まずは企業から直接スカウトされる「ダイレクトソーシング」です。
後は社員を介した推薦・紹介によって行われる「リファラル」採用です。
考え方
- 転職1.0 「スキル思考」で考える
- 転職2.0 「ポジション思考」で考える
転職1.0のスキル思考とは英会話スクールに通ったりMBAを取得したりといった技術力の向上を指します。
転職2.0のポジション思考はPM(プロジェクトマネージャー)やリードエンジニアといったものがあたります。
営業職であれば、大企業向けか中小企業向けか新規か既存かなどでポジションが変わります。
注意点はポジション=役職ではありません。
価値基準
- 転職1.0 仕事を「会社」で選ぶ
- 転職2.0 仕事を「シナジー」で選ぶ
転職1.0の仕事を「会社」で選ぶというのは以下の内容です。
就職人気ランキングや有名企業だからといった会社名で就職先を選ぶことを指してます。
転職2.0の仕事を「シナジー」で選ぶは以下の内容です。
自分の経験や能力を生かしてくれる、自分のやりたい内容の業務をやらせてくれる会社を選ぶという事です。
人間関係
- 転職1.0 「人脈づくり」をする
- 転職2.0 「ネットワークづくり」をする
転職1.0の人脈づくりとは狭くて深い人間関係を指します。
具体的には同期、同級生、先輩後輩、飲み友達など気心の知れた関係となります。
転職2.0のネットワークとはオンライン上で同じ業界で繋がっている広くゆるい関係を指します。
ネットワーク上には色んな業界をつなげるキーパーソンが存在しているそうです。
キーパーソンと繋がれば業界を超えたプロジェクトの立ち上げに参加したり転職できます。
確かに転職1.0の人脈は転職しないでずっと深くかかわると効果を発揮する気がしますね。
転職を繰り返すとキャリアアップのプラスになるような関係にはならないです。
広くゆるい関係でプロジェクトに共感する人が手を挙げて集まるような関係が今後は主流になります。
ゼロストレス転職 99%がやらない「内定の近道」
読んだ感想は転職活動のやり方について複数の方法が羅列されている本という印象です。
例えば「強み」を見つける、「企業分析」をするなどの場合についてたくさんの事例が書いてます。
筆者は転職エージェント経験者だけあって転職についてたくさんの事例が紹介されています。
ゼロストレス転職とは
転職活動はとてもストレス負荷がかかる行為であることの説明が冒頭にあります。
ストレスのかかる原因は転職活動の順番にある。
そこで提唱されるゼロストレス転職は転職活動の順番を変えるという方法になります。
・従来方式
- 転職エージェントや転職サイトに登録する
- 自己分析を始める(2と3が逆の場合もある)
- 転職サイトで企業を探して分析する
- 履歴書・職務経歴書を作成する
- ネットでノウハウを探して面接対策をする
・ゼロストレス転職
- 自分の強みと出合い直す
- 働きやすい企業を見つけ、自分に相応しい企業をリストアップ
- 履歴書・職務経歴書の他にプラスアルファの資料を作成する
- 転職エージェントに「本気」の登録をする
- 気持ちの余裕を作る「面接の赤本」「面接官の性格分析」を用意する
転職の軸になる「強み」の見つけ方
強みを見つける方法が多数書かれており要約は難しいので一部を紹介します。
強みは自分ではなく誰かに見つけてもらいましょう。他人の何気ない一言に強みのヒントが隠されています。
「他人からの興味」、「評価された経験」、「依頼された経験」が他人の目線が自分にあつまる三つの矢印です。
強みとは「希少性」、環境によって能力は「強み」にも「弱み」にも変わります。
働きやすい職場が見つかる「企業分析」
「隠れモンスター企業」「隠れモンスター部署」を知るには転職の口コミサイトを見ましょう。
オンライン面談が増えているがなるべく職場に出向くのがおすすめ。
自分と年齢、性別比率の高い企業の求人票を調べます。
すごい実績はいらない!「応募書類」の書き方
志望動機とは企業に利益をもたらす行動を答えることです。
企業が目指す方向に、あなたの志望動機を合わせましょう。
企業の悩みを解決する自分の経験を書くことです。
志望動機は、「理由⇒貢献行動⇒生かす経験」の順に書きましょう。
「プラスアルファの書類」に9割の力を注げ
本書では以下の6つから1~2つを選ぶようにお勧めしています。
・厳しすぎる上司を自己PRネタにする「上司リファレンス」
⇒厳しい上司から評価を聞くことでそれに耐え抜いた優秀な人物というPRができるという事のようです。
・ストレスを武器に変える「顧客リファレンス」
⇒クレーマー顧客に耐え抜いてきたことを自己PRにかえる書類のようです。
・仕事の苦労やすごさが、ひと目でわかる「仕事資料のまとめ」
⇒成果物をまとめることで説得力がまし、膨大な仕事資料のまとめで面接官を圧倒する方法となります。
・「早く面接に呼ぼう」と即決させる「職務経歴ダイジェスト」
⇒「求人票の必須要件(応募要件)」それを満たしている経験
経験の詳細が職務経歴書のどこに書かれているかの3つをダイジェストでまとめたメール。
・「長く一緒に働きたい」と思わせる「自分大全」
⇒近年は就職差別につながるおそれがある14項目は面接では聞けません。
それを逆手にとって自分について詳細にまとめます。
企業側にあなたがどんな人か知ってもらう事で好感を持たせる方法です。
・「マネジメント能力が高い」と証明できる「部下まとめシート」
⇒今マネジメントしている部下と転職先の部下の性質や課題が似ていると証明する
「転職エージェントガチャ」を回避する方法
転職エージェントのサイトを先に見て、登録時点で逆指名をする。
逆指名することで本気度を伝える
ヒアリングした相手で転職エージェントの信頼度をチェックする
転職エージェントは代えていい。当然の権利である。
交代リクエストは、「企業の特徴」「決意」「改善の意思」を意識する。
緊張をゼロにする「面接の準備」
面接で「うまい返し」をいう必要はありません。
面接官の性格は4つだけなので、面接官をまねることで類似性バイアスを利用できます。
・炎タイプ「数字を追いかけることが快楽の情熱家」
このタイプには大きな声でハッキリと、ジェスチャーを大きく行動でやる気を示す
・氷タイプ「すべて理詰めで考える論理派」
このタイプには落ち着いた口調で、論理性や根拠重視のコミュニケーションを心掛ける
・祭りタイプ「宴会で最も輝くユーモア全開のムードメーカー」
このタイプは会話を楽しみすぎで面接している事を忘れることがある。
最後に「お礼+志望動機 + 募集ポジションの仕事ができる経験があること」を伝える
・森タイプ「社員の駆け込み寺であり、聞き上手な仏」
相手の優しさに心を許して、お悩み相談や愚痴疲労をしないように気を付ける。
「甘えるつもりはない」「制度にただ乗りする気はない」とお伝えする。