企業を退職して転職することは近ごろでは普通な事になってきました。
しかし、未だに転職は会社への裏切り行為だという意見もあります。
特に競合他社、同業他社への転職、または管理職が転職する事に対しては否定的な意見があるようです。
今回は転職は裏切り行為なのかについて解説していきます。
まず結論を言いますと転職は全く裏切り行為には該当しません。
競合他社、同業他社への転職、管理職の転職でも当然同じです。
終身雇用は昭和のみで日本の伝統ではない
社員は家族
昭和という時代に日本では終身雇用が当たり前とされ、社員は家族とされていました。
会社は業績がどんなに悪くても社員を解雇しない。
社員は一生同じ会社で定年退職するまで働く。
それが日本企業の美徳だ!そんな価値観がほんの一時だけ日本にはありました。
なお、明治・大正時代には全くない新しい考えのため、日本の伝統ではありません。
そんな感覚を持っている人は令和の時代にはほとんどいないでしょう。
転職が後ろめたい
終身雇用神話は信じていないけど社会人になってから一度も転職をしたことが無い。
別の会社に入りなおしたいけど、転職するのは会社を裏切るみたいで悪いことしている気がする。
新卒時代に面倒を見てくれた上司や先輩の顔が頭にちらついて踏み切れない。
このように後ろめたい気持ちを持つ人がいるかもしれません。
転職は悪い事ではない。
あなたが会社に不満を持ち続けていたとします。
しかし、辞めずにずっと居続けるならあなたが会社を認めているも同然です。
いくら口先だけ不満を言っても何も改善しません。
転職は全く悪い事ではありません。
労働者には自分で働く場所を決める権利と自由があります。
転職するのは会社への裏切り行為か?
新卒で入社した会社にずっと勤めていたとします。
長年お世話になった上司や同期入社で切磋琢磨してきた同僚がいるでしょう。
その人たちの顔が頭に浮かんでくるかもしれません。
転職活動する事自体が仲間への裏切りに感じる事もあるかもしれません。
「転職は会社への裏切り」という発想はとても危険な思考状態です。
自社のムラ社会に閉じこもって、とても視野が狭い人間になってます!
会社は別にあなたがいなくても同じように回る
あなたは自分が辞めると周りに迷惑がかかる。
仕事に穴をあけてしまうそう思っているかもしれません。
断言できます、残念ながらあなた一人が急にいなくなっても会社は同じように回ります。
もちろん会社を辞めるタイミングは担当案件を引き継げるタイミングがベストです。
しかし、1~2カ月もあればあなたが抜けた後の体制を整える事は十分可能です。
何も悩む必要はありません。
企業は慈善団体ではなく、営利団体
この点はとても重要な事なので伝えておきたいです。
企業はお金をもうける事を目的としている営利団体です。
無料でボランティア活動をする慈善団体ではありません。
会社の収益が悪化したときには容赦なく社員を解雇するのが企業の本質です。
リーマンショックの後に私は同僚が何人もリストラされるのを目のあたりにしました。
当時の自分は明日は我が身と青ざめました。
しかし、今では私はリストラを少しも悪いことだとは思いません。
むしろ赤字を垂れ流しているのに不要な社員を解雇しない。
無理してずっと、雇い続けている企業こそ社会の害悪です。
自分の人生に責任を持てるのは自分しかいない。
あなたの生活を守るにはあなたが色んな企業から必要とされる人材になるほかないです。
失礼ながら、あなたが一方的に会社に片思いしているだけです。
会社側はあなたを一生雇って当然だとは思ってない可能性は十分あります。
仮に明日、あなたが勤めている会社が倒産したとします。
他の企業にあなたが全く必要とされない人材になっていた場合、悪いのは勤めていた会社ですか?
優秀な人材に育ててくれなかった上司や同僚が悪いんでしょうか?私はそうは思いません。
転職活動をするとあなたの客観的な市場価値が浮き彫りになります。
自分の市場価値がどれぐらいか客観視できる人間になることはとても大事です。
生殺与奪の権を他人に握らせるな!!
「鬼滅の刃」で主人公の竈門炭治郎(かまど たんじろう)は鬼になった妹の禰豆子を殺されそうになります。
土下座で命乞いをしたところ水柱(みずばしら)の冨岡義勇(とみおか ぎゆう)に言われる名言です。
企業勤めでも同じことが言えます。一生同じ会社に勤めていれば安心だ。
窓際族になっても定年退職までかじりついて残る。
こんな発想をしている人は生殺与奪の権を他人に握らせているも同じです。
この発想でいると勤めている会社が急に潰れたら何もできない無能な人間になってしまいます。
競合他社、同業他社への転職は裏切りなのか?
同業他社への転職は一番多くて有利
競合他社、同業他社への転職については裏切り行為と言えるでしょうか?
まず、考えてみてください転職で一番有利なのは実務経験が豊富な同一業界への転職です。
転職で一番多いのは圧倒的に同業他社への転職なのです。
但し、例えばIT企業という分野でいえば同業他社はたくさんいますが得意分野で大手数社が競っている場合もあります。
あとはキャリアや外資メーカーなどは数社でシェアを分け合っている状況にあり、この間での転職は警戒されます。
その場合でも労働者が自分に有利な環境に職を変えるのは当然の権利なので全く気にする必要はありません。
情報漏洩に当たる行為は絶対にNG
重要な注意ポイントは決して前職で知りえた企業秘密や人事情報などは絶対に漏洩しない事です。
特に資料やデータの持ち出しは重大な犯罪になりますので絶対にやってはいけません。
会社を退職する際は前職で得た情報や資料は全て抹消しましょう。
新しい会社に提供できるのは特定の企業に関係のない一般的な専門知識や技術力のみです。
管理職の転職は会社への裏切り行為か!?
管理職の転職も全く問題なし
管理職ポジション人材の転職は裏切り行為と言えるでしょうか。
企業では上位のポジションにいるほど経営上重要な情報を仕入れる事ができます。
管理職は企業にとって大事な人材ですので上司が痛手に感じるのは当然でしょう。
しかし、管理職にも働く環境を選ぶ権利は当然あります。
管理職の転職もまったく問題ありません。
部下の引き抜きはやめましょう
但し、自分のお気に入りの部下を多数引き連れる転職はやめましょう。
また、転職後にかつての部下を何人も引き抜く行為も考えものです。
法律違反ではないとはいえ、倫理的には裏切りと呼ばれてもおかしくないのでおすすめはしません。
管理職は情報漏洩により注意が必要
管理職は一般職に比べるとより経営に近い情報に接する機会が多いです。
転職後の機密情報の漏洩行為には注意しましょう。
資料やデータ持ち出しはもちろんNGですが口頭でも機密として仕入れた情報を話すのは漏洩に該当します。
業種選択を間違えると将来積みます。
転職を検討する上でそのまま現在、働いている業界でよいのかも検討しましょう。
定年や年金受給年齢は後ろ倒し傾向
サラリーマン人生は長く、定年退職は60歳から65歳に後ろ倒しになる企業が増えております。
年金受給開始年齢も以前は60歳からでしたが現在は原則65歳からです。
※以下を選択する事も可能です。
- 60歳から65歳までの間に繰上げて減額された年金を受け取る「繰上げ受給」
- 66歳から75歳までの間に繰下げて増額された年金を受け取る「繰下げ受給」
現在は個人の選択性ですが将来的には年金受給開始年齢は強制で後ろ倒しになるかもしれません。
高齢化社会で生きていくには長く成長していく分野で働いていないといつ仕事を失うか分かりません。
IT業界への転職はおすすめ
あなたが入社した職種は定年退職まで成長が続く業種でしょうか?
就職難などで不本意に将来性のない業界に就職した場合は早めに将来性のある企業への方向転換の検討が必要です。
IT業界は今後もずっと成長し続ける業界なので、おすすめできる転職先です。
未経験からのIT転職であれば返金保証のあるスクールでの学習も検討してみてはいかがでしょうか。
未経験のITエンジニア転職なら【TECH::EXPERT】色んな会社の社風を知る事の利点
職場環境を変える事の利点
ずっと同じ会社に勤めてると自分の会社の常識が世間の標準だと錯覚しがちです。
他の会社に移ってみたら習慣が全く異なり前の会社は異常だったんだと理解できるのはよくある事です。
メーカーやキャリア、SIerなど同業種であればある程度、会社の傾向は似ていますが会社の数だけ社風も様々です。
今の会社で当たり前だと思ってやっていることは隣の会社では非常識な行いかもしれません。
一生同じ会社に勤めていると客観的な視点を持つことはできません。
転職することで色んな会社の共通点と特徴を客観的に理解する視野をもつことができます!!
職場移動の経験について
私は転職経験は3回ですが現在の自社請負業務につくまではずっと派遣やSESエンジニアでした。
現場は10以上経験しており、全てIT業界でしたが親会社がどんな事業体なのかで社風は全然異なります。
客先で働く事は雑用を押しつけらたり、自由が無かったりとマイナス面もあります。
客先業務の利点として、たくさんの他社の社風を知る事ができました。
中途採用が多い企業への転職がおすすめ
転職する場合には志望企業の中途採用者割合がどれぐらいなのか把握しておいた方がいいです。
かなりの大企業でないとありえない事ですがほぼ新卒から入社した社員ばかりの企業も世の中にはあります。
そもそも転職採用枠は少ないですが給料は高いため、それだけで選んでしまうと大変です。
こういう企業では中途組は新卒入社の人より高パフォーマンスを発揮しないと評価されにくいです。
新卒から入社した社員ばかりの企業は同期や年次で先輩後輩などがあり、連携がとても深いです。
中途採用者が多数の企業への転職がお勧めです。